大好きなのは・・・        ロバート・カーライルさん♪  


by koujitu3
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『プージェー』

プージェーというモンゴルの女の子とその家族を、関野吉晴さんという探検家との出会いから、撮ったドキュメンタリー映画。『プージェー』

こんな結末だったとは!というのが、正直な感想です。
モンゴルの雄大な景色と、モンゴルの人たちの暮らしから、いっぱい元気を貰うつもりだったのに・・・
甘かった・・・
ガツンとやられた気がしています。

でも、これが本当のドキュメンタリーなのでしょうね。
脚色なんてせずに現実を撮れば、こういう結末になってしまうこともある。
それはわかっても、やっぱり、プージェーのあの頑張り屋さんの顔を思うと、今でも目頭が熱くなってしまいます。

この映画に出会う機会のある方は少ないだろうし、この映画を見たいと思われる方ならば、結末を知ったからもう映画を見なくていいわ、とか、知らない方が見る楽しみが多いとは思われないと思うので、結末を書くことにします。読んでみようと思ってくださる方はMoreをどうぞ。


いろんなことを教えて貰いました。
気楽に観に行った自分の愚かさがちょっと恥ずかしくなるくらいに。
モンゴルの現実も、そこに住んできた民族の知恵も。

映画の中で、プージェーのお母さんも亡くなるのですが、事故プラス社会の抱える問題による死でした。落馬による怪我を、お医者さんに診てもらえなかったのです。健康保険に入っていなかったから。
市場経済に巻き込まれたモンゴルは、人々の暮らしも変わらざるをえなかった。それにより、伝統的な暮らしをしたい人たちも、その暮らしを続けていく事がむずかしくなってしまう。
それにより起きてくる様々な問題。

でもね、モンゴルの人たちは、そういったことも総て受け入れて、自分ができることをするだけだ、と思っているように私にはみえた。凄いなあ、と思う。
プージェーも、ここで家族とこうして暮らしているからこの暮らしをしているだけであって、他の暮らし方を示されたら、きっと他の暮らしを選ぶだろうと思わせる子だし、おばあちゃんはそれがいい、それが自然だと思っている。

モンゴルの人たちが、どうやって家畜を屠るか、ご存知ですか。
私はこの映画で初めて知りました。
狩猟民族は、動物を屠る時、何一つ無駄にしない事はしっていました。が、モンゴルの人たちの見事さに敵う民族はいないのではないかと思います。
血の一滴も無駄にしないのです。
血を一滴もこぼさずに、屠るのです。

関野さんが旅立つ時、羊の石焼きのご馳走をしてくれることになり、羊を屠る様子を映画はみせてくれるのです。
足を二人で掴んだ羊を敷物の上に仰向きに寝かせ、一人が胸に少しだけナイフを入れ、その切った所に指を差込み心臓の近くの動脈をちぎって即死させるのです。
それからきれいに皮をはぎ、その後でナイフをいれた切り口をひろげ、貯まった血を掬いだし、その血でソーセージを作るのです。
敷物の上には血は一滴もこぼれていませんでした。
地面に血をこぼしてはいけない、というしきたりがあるそうです。
ぶつ切りにした肉は、大きなミルク缶に少し水(だと思う)を入れ、そこに熱く焼けた石をいくつも放り込み、肉を入れ、蓋をして、火にかける。焼きあがった肉は、各人が好きな塊をとって切りながら食べていました。とても美味しそうでした。関野さんも、「美味しい」といってました。
この肉の残りは、おばあちゃんが「途中で食べなさい」といって、どっさり関野さんに持たせてました。めったにないご馳走で、貴重な食料だろうに・・・

この人たちは本当に、どうして突然現れた見ず知らずの人にここまでしてくれるのか、と思うくらいもてなしてくれます。プージェーのお母さんは、関野さんに馬を1頭くれたくらいです。(馬が何頭もいなくなった後だったというのに) 関野さんが、持っていけないから気持ちだけ貰うと言うと、アフリカに行くのなら乗って行けばいいのに、と本気で言うのです。
結局、今度来た時乗る為に預ける事になります。
が、実はこの馬、プージェーの馬だった。
心配した関野さんが尋ねると、プージェーの答えも、他にもいっぱいいるからいい。
そうかあ、やっぱりこの家族の子供だとこう育つんだ、とひとり納得したのでした。

関野さんが初めてプージェーに会った時、プージェーは6歳です。
立派に馬を乗りこなし、家畜の世話をする。
この家族、何故そういう家族構成なのか説明はいっさいないのですが、プージェーと、おかあさん(33歳?)と、2歳の従弟、おじいちゃん(たしか80歳) おばあちゃん(60何歳かだった)。
おとうさんは出稼ぎにいってそれっきり、のようでした。

小学校に入る時、大きな赤いふわふわリボンを頭につけたプージェー。
先生の話を聞くときのプージェーの真剣な顔。
羊の世話をする時に男たちを指図するプージェー。
いろんなプージェーが残っています。
プージェー、本名プレグヒシグ、「木曜日に生まれた幸せな子」という名前の女の子。



数年後にプージェーの家族のゲルを訪れた関野さんは、プージェーの死を知るのです。小学校の卒業式の前日の交通事故。
生きていて欲しかった・・・
大きくなったプージェーに会いたかった・・・
笑顔を見せなくなっていたおばあちゃんの写真が胸に痛い。
救いは、初めて会った時のプージェーと同じ年になって、あの時のプージェーのように馬に乗っていた従弟の笑顔でした。
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by koujitu3 | 2006-10-07 00:32 | 映画 は